キッズダンスのメイク|発表会の前に知りたい肌の注意・手順・落とし方
ダンスの発表会が近づくと、「子どもにメイクはするの?」「どんな化粧品を使えばいいの?」「肌が荒れないか心配」と迷う保護者の方は多いと思います。ふだんメイクをしない子どもにとって、発表会のメイクは特別なものです。一方で、子どもの肌はデリケートなので、大人と同じ感覚で道具を選んだり、落とし方を省いたりすると、肌トラブルにつながることもあります。この記事では、キッズダンスのメイクについて、そもそもなぜ舞台でメイクをするのか、始める前に確かめたいこと、肌を守るための注意点、基本の手順、落とし方までを順番にまとめました。肌の安全に関わる部分は、国民生活センターや厚生労働省の資料で確かめた内容を書いています。
キッズダンスの発表会では、メイクをすることがある
子どものダンスでも、発表会などの舞台では、メイクをすることがあります。ただし、するかどうか、どこまでするかは、教室や作品によって違います。リップやチークだけの場合もあれば、アイラインやラメまで使う場合もあり、メイクをしない場合もあります。ふだんのレッスンでは、メイクをする必要はありません。
まずは、通っている教室から発表会のメイクについて案内があるかを確かめましょう。「全員同じ色のリップ」「メイクは教室で行う」など、決まりがあることもあります。
舞台でメイクをする理由
照明の下では、顔がぼやけて見えやすい
ステージでは強い照明が当たるので、素顔のままだと目元や口元の印象が薄く見えやすくなります。舞台メイクは、照明の下でも表情が分かるようにするための工夫です。
客席の後ろまで、表情を届けるため
ホールの後ろの席からは、子どもの顔はとても小さく見えます。目元や口元をはっきりさせると、笑顔や表情が遠くまで伝わりやすくなります。
衣装とのバランス
色の強い衣装やキラキラした衣装を着ると、顔だけが浮いて見えることがあります。メイクは、衣装と顔のバランスをとる役割もあります。
「今日は特別な日」という気持ちの切り替え
メイクをして衣装を着ると、子どもも「本番だ」という気持ちになりやすくなります。いつもと違う自分になることを楽しむ子も多いものです。
始める前に確かめておきたいこと
- メイクをするかどうか、どこまでするか:教室の案内を確認します。
- 誰がメイクをするか:家庭でしてから会場に行くのか、会場で保護者がするのか、教室でまとめて行うのかを確かめます。
- 色や道具の指定:チームで色をそろえることがあるので、指定がないかを確認します。
- 子どもの肌の状態:湿疹や傷、アトピー性皮膚炎などで治療中の場合は、メイクをしてよいか、かかりつけの医師に相談しておくと安心です。
化粧品の注意書きに書かれている「やめるサイン」
化粧品の容器や箱には「使用上の注意」が書かれています。厚生労働省は2014年に、業界団体(日本化粧品工業連合会)の自主基準が改正されたことを各都道府県に通知しました。この改正で、皮膚に使う化粧品について、使用をやめるべき症状として、それまでの「赤み、はれ、かゆみ、刺激」に加えて「色抜け(白斑等)や黒ずみ」が書き加えられ、肌に異常が出ていないかよく注意して使うよう呼びかけることになりました。
子どもにメイクをしたあとも、赤み、はれ、かゆみ、ひりひりする感じなどがないかを見てあげてください。異常があれば、すぐにメイクを落として使うのをやめましょう。
本番前に、肌に合うかを試しておく
いちばん避けたいのは、本番の日に初めて使う化粧品で肌が荒れてしまうことです。国民生活センターは、フェイスペイントやタトゥーシールについての注意として、腕の内側など目立たない部分で、事前にパッチテストを行うよう呼びかけています。また、肌に傷や湿疹などがあるときは、症状が悪くなるおそれがあるので使用を避けること、肌に合わない場合はすぐに使うのをやめ、赤み、はれ、かゆみ、痛み、刺激、黒ずみなどがあれば皮膚科を受診することも挙げています。
発表会のメイクに使う化粧品も、本番の数日前までに、少量を腕の内側などで試しておくと安心です。そのうえで、一度家で実際の顔にメイクをしてみて、子どもが痛がったり、かゆがったりしないかも確かめておきましょう。
フェイスペイント・タトゥーシール・ラメを使うときの注意
顔に絵や模様を描くフェイスペイントや、肌に貼るタトゥーシールを使う作品もあります。国民生活センターが2019年に公表したテストでは、インターネットで売られているタトゥーシール11銘柄とフェイスペイントなど9銘柄、計20銘柄を調べたところ、次のような結果が出ました。
- 12銘柄には、日本語の使用方法や注意の表示がなかった
- 成分表示のあった8銘柄のうち1銘柄に、化粧品への配合が認められていないタール色素が表示されていた。2銘柄には、粘膜に使わない化粧品にだけ使える色素が表示されていた
- 4銘柄からホルムアルデヒドが検出された(すぐに皮膚の刺激を起こす濃度ではないものの、長時間や繰り返しの接触で、皮膚の刺激やアレルギー性の皮膚炎を起こすおそれがある、とされています)
- 金属アレルギーの原因になりやすい金属のうち、2銘柄からクロム、9銘柄からコバルトが検出された
国民生活センターは、これらは化粧品のような安全性の基準が定められた製品ではないことを理解して使うこと、子どもに使う場合は特に注意が必要であることを伝えています。使う場合は、使用方法、はがし方、対象年齢、使用上の注意を読んでから使いましょう。
ラメやストーンを目のまわりに使う場合は、目元に使えると書かれた製品を選び、目に入らない位置にとどめると安心です。
道具を選ぶときのポイント
- 化粧品として売られているものを選ぶ(おもちゃのメイク道具や、表示のよく分からない製品は避ける)
- 日本語の表示(使用方法・使用上の注意・成分)があるもの
- 目元に使うものは、目のまわりに使えると書かれているもの
- 落としやすさも考える(汗に強い製品ほど、落とすのに専用のクレンジングが必要なことがある)
- 子ども用や、肌への刺激が少ないとうたわれた製品を選ぶ場合も、試してから使う
教室から使う製品や色の指定があれば、それに従いましょう。
年齢に合わせた考え方
幼児(3才〜6才ごろ)
じっとしているのが難しい年齢なので、時間のかかるメイクは子どもにとっても負担です。教室の指定がなければ、リップやチークなど、短い時間でできる部分だけにとどめるのも一つの考え方です。目のまわりは、動いてしまうと危ないので、無理をしないようにしましょう。
小学生
小学生になると、少しの時間ならじっとしていられるようになり、目元のメイクもしやすくなります。高学年になると、自分でメイクをしてみたいという子も出てきます。その場合も、道具の使い方や落とし方を一緒に確かめながら進めましょう。
基本の手順
教室に指定の手順がある場合はそちらに従ってください。ここでは、一般的な流れを紹介します。
1. 準備(洗顔・保湿・髪のセット)
顔を洗って、保湿をしておきます。唇が乾いている場合は、リップクリームを塗っておきます。メイクのあとに髪を結ぶと、手や髪が顔に触れて崩れやすいので、先に髪型を作っておくのがおすすめです。
2. ベース
下地やファンデーションを、薄く均一にのばします。厚く塗る必要はありません。ベースを省くと、アイラインを描くときに肌がこすれてひりひりすることがある、と注意している解説もあります。
3. 目元
アイシャドウは、明るい色を1〜2色、指やチップでまぶたにのせます。アイラインを引く場合は、目尻だけにするなど、短い時間でできる形にすると子どもの負担が減ります。目のきわに近い部分は、子どもが急に動くと危ないので、声をかけながらゆっくり進めましょう。
4. チーク
にっこり笑ったときに高くなる頬の位置に、ふんわりのせます。照明の下では、ふだんより少し濃いめに見えるくらいがちょうどよいこともあります。
5. リップ
舞台では、はっきりした色のほうが表情が伝わりやすくなります。グロスのようにべたつくものは、髪がはりつきやすいので、教室の指定がなければ扱いやすいものを選びましょう。
6. 仕上げの確認
少し離れたところから全体を見て、左右の差や、塗りすぎがないかを確かめます。同じチームの子とバランスがとれているかも見ておきましょう。
崩れにくくするためのコツ
- メイクのあとは、顔をさわらないよう子どもに伝えておく(手についたメイクで衣装が汚れるのも防げます)
- 汗をふくときは、こすらずに、タオルやティッシュでそっと押さえる
- 衣装に着替えるタイミングを考える。頭からかぶる衣装は、メイクの前に着るか、顔にタオルをかけてから着るとメイクが衣装につきにくい
- 本番の前に、手直し用のリップや綿棒を用意しておく
発表会当日の段取りと持ち物
当日は、集合、リハーサル、着替え、本番と、思った以上に時間がありません。前もって一度家で通してメイクをしてみると、かかる時間が分かり、当日の段取りが立てやすくなります。
- 使うメイク道具一式(教室の指定のものがあればそれも)
- 綿棒、ティッシュ、手鏡
- メイク落とし(クレンジング)と、洗顔後の保湿用のもの
- 汗をふくタオル
- 顔にかけるタオルやケープ(着替えのとき用)
メイクの落とし方
舞台メイクは、汗に強いぶん落ちにくいこともあります。本番が終わったら、その日のうちに必ず落としましょう。
- 手と顔をさっぱりさせ、クレンジングを顔全体になじませます。
- 目元や唇など落ちにくい部分は、ポイントメイク用のリムーバーをしみこませたコットンをしばらく当ててから、そっとふき取ります。
- ごしごしこすらず、なじませてから、ぬるま湯でよく洗い流します。
- 洗顔のあとは、保湿をしておきます。
会場で一度落としてから帰る場合も、家に帰ったらもう一度、残りがないかを確かめましょう。
メイクのあとに肌が荒れてしまったら
赤みやかゆみ、ひりひりする感じなどが出たら、そのメイク用品は使うのをやめましょう。国民生活センターの注意喚起でも、肌に合わない場合はすぐに使用をやめ、赤み、はれ、かゆみ、痛み、刺激、黒ずみなどがあれば皮膚科を受診するよう呼びかけています。次の発表会のためにも、どの製品を使って荒れたのかをメモしておくと、医師に相談するときに役立ちます。
男の子のメイク
男の子も、作品や教室の方針によってはメイクをすることがあります。女の子と同じように、まずは教室の案内を確認しましょう。男の子がメイクを恥ずかしがる場合は、「舞台で表情を客席に届けるための準備」だと理由を伝えてみてください。肌に合うかどうかの確かめ方や落とし方は、女の子の場合と同じです。
よくある質問
Q. ふだんのレッスンでもメイクはしますか?
A. ふだんのレッスンでメイクをする必要はありません。発表会などでメイクをするかどうかは、教室の案内を確認しましょう。
Q. 大人用の化粧品を子どもに使ってもいいですか?
A. 子どもの肌はデリケートなので、使う前に腕の内側などで試しておくと安心です。使用上の注意をよく読み、肌に異常が出たらすぐに使うのをやめてください。
Q. フェイスペイントやタトゥーシールは安全ですか?
A. 国民生活センターのテストでは、化粧品に使えない成分やアレルギーの原因になりうる物質が見つかった製品もありました。化粧品のような安全基準がある製品ではないことを知ったうえで、表示を確かめ、事前にパッチテストをしてから使いましょう。
Q. 肌が弱い子です。メイクをしないといけませんか?
A. 肌に湿疹や傷がある場合などは、無理をしないことが大切です。教室の先生に事情を伝えて相談し、必要に応じてかかりつけの医師にも相談しましょう。
Q. メイクは何時ごろにすればいいですか?
A. 集合時間や、家でするか会場でするかによって違います。教室の案内を確かめ、事前に一度通してメイクをして、かかる時間を測っておくと安心です。
Q. メイクが落ちにくいときは?
A. こすって落とそうとすると肌に負担がかかります。クレンジングやポイントメイク用のリムーバーをなじませ、時間をかけて浮かせてから洗い流しましょう。
参考にした資料
- 国民生活センター「タトゥーシールやフェイスペイントによる肌トラブルが発生!-除去の際の肌トラブルや金属アレルギーにも注意が必要です-」(2019年9月18日公表。20銘柄のテスト結果と、腕の内側でのパッチテスト、肌に傷や湿疹があるときは使用を避けること、異常があれば皮膚科を受診することなどの注意)
- 厚生労働省医薬食品局長通知「化粧品等の使用上の注意について」(平成26年5月30日、薬食発0530第2号。使用を中止すべき症状に「色抜け(白斑等)や黒ずみ」を追記)
- チア・コミュニティ「【子どものダンス発表会】メイクはする?おすすめのメイク道具と注意点」
- ハピママ*「女児ママ必見!本格なのに超簡単『発表会メイク』のしかたあれこれ」
- Shiny Dance Academy「キッズダンスのメイク【オススメも紹介】」
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