運動会のダンスを家で練習するには?小学生・幼児の覚え方と保護者の手伝い方

「運動会のダンスの振り付けが覚えられないと言っている」「家でどうやって練習を手伝えばいいの?」「左右がいつも逆になる」。運動会の練習が始まると、こんなふうに迷う保護者の方もいると思います。学校での練習の様子は、子どもの話だけではなかなか想像しにくいものです。この記事では、運動会のダンスが学校でどんな位置づけで、どんなふうに練習されているのかを、学習指導要領の解説や学校の先生への取材記事をもとに整理しました。そのうえで、家で練習を手伝うときのコツ、左右や隊形移動の覚え方、幼稚園・保育園の運動会のダンス、本番が不安な子への声のかけ方をまとめています。

運動会のダンスは、体育の「表現運動」とつながっている

運動会のプログラムでは、ダンスの種目が「表現」と書かれていることがあります。これは、小学校の体育の学習内容に「表現運動系」という領域があるためです。運動会のダンスは、授業で学ぶ内容を発表する場にもなっています。

小学校学習指導要領の解説(体育編)では、表現運動系の学習は、学年によって次のように分けられています。

  • 1・2年生「表現リズム遊び」:動物や乗り物などの特徴をとらえて全身で表す「表現遊び」と、軽快なリズムの音楽に乗って弾んで踊る「リズム遊び」
  • 3・4年生「表現運動」:身近な生活などから題材を選んで表す「表現」と、軽快なロックやサンバなどのリズムに乗って友達と関わって踊る「リズムダンス」
  • 5・6年生「表現運動」:「表現」と、日本の地域の民踊や外国のフォークダンスを踊る「フォークダンス」

解説では、表現やリズムダンスは自由に動きを工夫して楽しむ学習で、フォークダンスは決まった踊り方を再現して踊る学習だと説明されています。元小学校教員が運動会の裏側を紹介した記事でも、運動会のダンスは体育科の「表現」の領域に沿った演目として披露されると説明されています。

学年によって、運動会のダンスの特徴は違う

元小学校教員が運動会の裏側を紹介した記事では、学年ごとの特色が次のようにまとめられています。

  • 低学年:子どもたちになじみのある曲で、ポンポンなどの道具を使い、ノリよく楽しく踊る
  • 中学年:民舞や、テーマを決めた創作ダンスなど、イメージを形にする
  • 高学年:学校の伝統を受け継ぐ演目や、K-POPなど流行のダンス

高学年の「伝統の演目」の代表として知られるのが、ソーラン節をもとにした踊りです。たとえば「南中ソーラン」は、1991年ごろに北海道の稚内市立稚内南中学校の先生と生徒が考案した踊りで、ニシン漁の動きを取り入れた振り付けです。その後、テレビや紅白歌合戦などを通じて知られるようになり、運動会や体育祭などで各地に広まりました。

運動会のダンスは、学校でどうやってできあがるのか

曲と振り付けは、先生が考えていることが多い

元小学校教員の記事によると、運動会のダンスの振り付けや曲の編集は担任の先生が担当していて、決まったマニュアルはないそうです。ほかの学年の先生や音楽の先生、保護者の協力を得ることもあると紹介されています。

現役の小学校の先生に取材した別の記事では、子どもたちも保護者も知っていて楽しめる流行曲を選び、学年に応じてダンスの内容を決めていること、職員室に記入表を貼って、学年同士で曲や使う道具(フラッグや鳴子など)がかぶらないように調整していることが紹介されています。振り付けは、子どもの発達の段階に合わせて、動画サイトなどの既存のダンスを参考にすることもあるそうです。

練習の期間と流れ

元小学校教員の記事では、ダンスの練習はおよそ3週間から1か月半かけて行われ、体育館で振り付けと隊形移動を覚えてから校庭で練習する流れが紹介されています。校庭に出ると子どもが落ち着かず混乱しやすいことも、計画の段階から想定されているそうです。途中でやる気が落ちる時期には、ほかの種目の練習をはさむなどして、本番に向けて調整しているとのことです。

現役の先生への取材記事では、ダンスを教える前に全員で曲を歌って親しみ、歌いながら踊れるように練習していることも紹介されています。

子どもが覚えることは「振り付け」だけではない

運動会のダンスで子どもが覚えることは、手足の動きだけではありません。学校によって違いますが、たとえば次のようなことを同時に覚えています。

  • 振り付け:手足の動き、ポーズ、向き
  • 隊形移動:曲のどこで、どこからどこへ移動するか
  • 自分の立ち位置:前後左右に誰がいるか、どの目印に立つか
  • 道具の扱い:ポンポン、旗、鳴子などを持つタイミングや動かし方
  • 入場と退場:どこから入って、どう並び、どう出ていくか

家では振り付けしか見えないので、「まだ覚えていないの?」と感じることがあるかもしれません。けれど学校では、これだけのことを一緒に覚えているのです。子どもが「難しい」と言うときは、どの部分が難しいのかを聞いてみると、手伝い方が見えてきます。

家で練習を手伝う前に、知っておきたいこと

正しい振り付けは学校のものが基準

運動会のダンスは、先生が学年に合わせて振り付けを変えていることがあります。動画サイトに同じ曲の振り付けがあっても、学校で習っているものと同じとは限りません。家で教えるときに違う動きを教えてしまうと、子どもが混乱することがあります。学校から練習用の動画や資料が配られている場合は、それを基準にしましょう。

大人が「先生」にならなくていい

家での役割は、細かく直すことより、子どもが覚えたことを思い出して、自信を持てるようにすることです。動きの正しさを判断するのは学校の先生に任せて、家では「見てくれる人」「一緒に楽しむ人」でいるくらいがちょうどよいと思います。

家での練習のコツ

まず「見せて」と頼む

いきなり練習させるより、「どんなダンス?見せて」と頼んでみてください。子どもは人に見せるつもりで踊ると、覚えているところと、あいまいなところが自分でも分かってきます。

曲を流して、一緒に口ずさむ

使う曲が分かっている場合は、家でも曲を流してみましょう。曲をよく知っていると、「次はサビ」「ここで止まる」と予想しながら動けるので、振り付けを思い出しやすくなります。

短く区切って、目印をつくる

全体を通して踊るより、「最初の部分だけ」「サビだけ」と区切って練習すると集中しやすくなります。歌詞やメロディーの中に「ここで手を上げる」「ここで回る」といった目印をつくると、順番を思い出す手がかりになります。

カウントを声に出す

「1、2、3、4、5、6、7、8」と声に出して数えると、リズムがつかみやすくなります。学校でカウントの数え方を習っている場合は、それに合わせると混乱しません。

1日に少しずつ

練習期間は数週間あります。一度に長く練習するより、毎日少しずつ踊るほうが、子どもも疲れにくく、楽しく続けられます。

左右が逆になってしまうときは

練習していると、「右と左が反対になる」と困る子もいます。これは、向かい合って見本を見ると、相手の右手が自分から見て左側にあるために起こります。

  • 同じ方向を向いて踊る:大人が子どもの前に立ち、子どもと同じ方向を向いて踊ると、子どもは後ろから同じ手足を動かせばよくなります。
  • 向かい合うなら、大人が反対で踊る:大人が向かい合って見本を見せるときは、大人が左右を逆にして踊ると、子どもは鏡のように真似できます。
  • 目印をつける:右手首にヘアゴムをつけるなど、右と左を区別する目印をつけるのもひとつの方法です。学校で同じような工夫をしている場合もあるので、子どもに聞いてみてください。
  • 言葉で言う:「右手を上げて、左に回る」のように、動きを言葉にしながら踊ると、左右を意識しやすくなります。

隊形移動を覚えるコツ

隊形移動は、家では練習しにくい部分です。それでも、次のような関わり方で手伝うことができます。

  • 紙に書いてもらう:「最初はどこにいる?」「次はどこに動く?」と聞きながら、子どもに簡単な図を描いてもらいます。説明しようとすることで、子ども自身の頭の中も整理されます。
  • 前後の友だちを覚える:「誰の後ろについていく?」「隣は誰?」と聞いてみると、自分の位置を人で覚えている子もいます。
  • 家の中で歩いてみる:部屋の床にクッションなどで目印を置いて、曲に合わせて移動するだけでも練習になります。

道具を使うダンスの場合

運動会のダンスでは、ポンポン、旗、鳴子、フラフープなどの道具を使うことがあります。元小学校教員の記事では、子ども同士の接触を減らすために、ハイタッチや手つなぎを避けて、旗やフラフープなどで距離を保つ振り付けが増えたことも紹介されています。

道具を使うダンスは、手の動きと道具の向きを同時に意識する必要があるので、子どもによっては難しく感じます。家に同じ道具がなくても、タオルや丸めた新聞紙を持って動くだけで、「持ったまま動く」感覚の練習になります。ただし、振り回すと危ないので、まわりに人や物がない場所で練習しましょう。

幼稚園・保育園の運動会のダンス

3才〜6才の子どもの運動会のダンスは、小学校とは少し様子が違います。この年齢では、振り付けを正確にそろえることよりも、音楽に合わせて体を動かす楽しさや、みんなの前で踊る経験そのものを大切にしたい時期です。

  • 家では、園で踊っている曲をかけて、一緒に体を動かすだけで十分です
  • 「覚えた?」と確かめるより、「どんなところが楽しい?」と聞いてみてください
  • 本番で踊れなかったり、泣いてしまったりしても、それも成長の途中です

小さな子は、見慣れない場所や大勢の人の前で緊張することがあります。セントダンススクールのリトルクラスのページでも、リトルクラスに最初に来た9割のお子様は「モジモジして保護者様から離れられない」か「見慣れない環境に興奮して先生の話を聞くどころではなく大暴れ」のどちらかになり、それは当たり前のことなので心配しなくて大丈夫だと書かれています。運動会の本番でいつもどおりにできなくても、心配しすぎなくて大丈夫です。

練習を嫌がるとき、本番が不安なとき

運動会の練習期間が長くなると、子どもが「ダンスやりたくない」と言い出すこともあります。理由はさまざまです。

  • 振り付けが覚えられず、みんなについていけない気がする
  • 先生に注意されたことを気にしている
  • 練習が続いて疲れている
  • 人前で踊るのが恥ずかしい

まずは理由を聞いて、気持ちを受け止めてあげてください。覚えられなくて不安な場合は、家で少しだけ一緒に練習すると安心につながることがあります。恥ずかしさが原因のときは、無理に練習させるより、「お家の人は、見に行くのを楽しみにしているよ」と伝えるくらいでよいかもしれません。様子が気になるときは、担任の先生に学校での様子を聞いてみるのもひとつの方法です。

本番の日の見方と声のかけ方

  • どこにいるかを聞いておく:隊形移動があると、子どもを見失うこともあります。「最初はどのあたりにいる?」と前もって聞いておくと見つけやすくなります。
  • 終わったら、できたことを伝える:「最後のポーズかっこよかったね」「移動のとき、まっすぐ動けていたね」など、具体的に伝えると、子どもは見てもらえたことを実感できます。
  • 間違えたことは言わない:本人がいちばん分かっています。間違えたかどうかより、最後まで踊りきったことを認めてあげてください。

運動会のあとに、ダンスを続けたくなったら

運動会のダンスをきっかけに、「もっと踊りたい」と言い出す子もいます。学校で学年みんなで踊る楽しさと、ダンス教室で先生や友だちと踊る楽しさには、それぞれの良さがあります。

セントダンススクールのレッスンは、体操・ストレッチ、ダンスの基礎となるアイソレーション、振り付けの流れで進みます。振り付けは、先生の動きを真似してゆっくり覚えていきます。インストラクター紹介のページでは、RiO先生が「発表会が終わったあとの最初のレッスンで、『あれ、前よりできるようになってる』と感じた瞬間がありました」と話しています。本番に向けて練習した経験は、その後のダンスにもつながっていきます。

よくある質問

Q. 運動会のダンスの動画は、どこで見られますか?

A. 学校によっては、練習用の動画や資料を配っているところがあります。配られていない場合は、無理に探さず、子どもに見せてもらうのがいちばんです。動画サイトの同じ曲の振り付けは、学校のものと違うことがあるので注意しましょう。

Q. 家でどのくらい練習すればいいですか?

A. 決まりはありません。長く練習するより、1日に数回、曲に合わせて踊ってみるくらいで十分です。子どもが疲れているときや嫌がっているときは、無理に練習させなくて大丈夫です。

Q. うちの子だけ覚えるのが遅い気がします。

A. 覚える速さには個人差があります。運動会のダンスは、振り付けだけでなく隊形移動や道具の扱いも同時に覚えるので、時間がかかる子もいます。気になるときは、担任の先生に学校での様子を聞いてみてください。

Q. 左右がどうしても逆になります。

A. 大人が子どもと同じ方向を向いて前で踊るか、向かい合うなら大人が左右を逆にして踊ると、子どもは真似しやすくなります。右手首に目印をつけるのもひとつの方法です。

Q. 本番で泣いて踊れなかったら、どう声をかければいいですか?

A. 「緊張したね」「よくがんばってその場にいたね」と気持ちを受け止めてあげてください。特に小さな子は、大勢の人の前で緊張するのは自然なことです。踊れなかったことを責めないことが、次への安心につながります。

Q. ダンスが苦手な子でも、運動会を楽しめますか?

A. 楽しめます。運動会のダンスは、学年みんなでひとつのものをつくる経験です。完璧に踊れなくても、みんなと一緒に最後まで踊りきることに意味があります。

参考にした資料

  • 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 体育編」(表現運動系の領域の構成、リズム遊び・リズムダンス・フォークダンスの内容)
  • HugKum「元小学校教員が教える『運動会』の裏事情。ダンスの選曲は誰が?練習は大混乱ってホント?」
  • All About ニュース「運動会のダンス曲や振り付け、どうやって決めている? 職員室では争奪戦も!?【現役教員に聞いた】」(2025年9月29日)
  • Wikipedia日本語版「南中ソーラン」
  • セントダンススクール「リトルクラス」「インストラクター紹介」ページ

セントダンススクールのご案内

西宮市津門のセントダンススクールには、3才〜6才のリトルクラスと、小学生のキッズクラスがあります。レッスンでは、ジャンルを問わず、体操・ストレッチ、ダンスの基礎となるアイソレーション、振り付けの流れで、音楽に合わせて体を動かす楽しさを大切にしています。ダンスが初めてのお子様、人見知りのお子様、運動が苦手なお子様も通っています。

  • レッスン:月曜日・水曜日の夕方(リトル 15:50〜16:40/キッズ 16:50〜17:40)
  • 体験レッスン:無料で3回まで受けられます
  • アクセス:阪急「阪神国道」駅から西へ徒歩2分、JR「西宮」駅から東へ徒歩6分、阪神「今津」駅から北へ徒歩10分(兵庫県西宮市津門稲荷町5-10 フレクサンス北今津 3階)

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