K-POPダンスを子どもが踊りたいと言ったら|特徴・家での練習のコツ・習い事の選び方
「K-POPのダンスを踊りたい!」。動画やテレビで韓国のアイドルグループのダンスを見て、子どもがそう言い出すことは珍しくありません。保護者の方としては、「子どもが踊っても大丈夫?」「どうやって練習すればいい?」「習い事にするなら何を見ればいい?」と気になることも多いと思います。この記事では、K-POPとそのダンスの特徴、子どもがK-POPダンスを楽しむときのポイント、家での練習の仕方、保護者が気にかけたいこと、習い事として考えるときの見方を、ひとつずつ整理しました。
K-POPとは|ダンスミュージックを中心とした韓国のポピュラー音楽
K-POPは、韓国のポピュラー音楽を指す呼び方です。日本語版Wikipediaでは、「ダンスミュージックを中心とした韓国のポピュラー音楽の通称」と説明されています。歌だけでなく、グループ全員で踊るダンスが大きな魅力になっているのが特徴です。
英語版Wikipediaの「K-pop」の項目には、「ダンスはK-POPに欠かせない要素である」という趣旨の一文があります。歌とダンスをセットで楽しむ音楽だからこそ、子どもが「見て、まねして踊りたくなる」のは自然なことだといえます。
K-POPのダンスはどうやって広まってきたのか
今のK-POPの流れのはじまりとしてよく挙げられるのが、1992年にデビューした「ソテジワアイドゥル(Seo Taiji and Boys)」です。英語版Wikipediaによると、彼らは1992年4月11日にテレビの新人発掘番組でデビューしました。ヒップホップやR&Bを取り入れたダンスポップで人気を集め、その後のK-POPグループの発展への道を開いたとされています。
その後、1996年にデビューしたH.O.T.のように、デビュー前に集中的なトレーニングを受けたアイドルグループが登場しました。英語版Wikipediaでは、H.O.T.の曲「Candy」が、明るいポップスとエネルギッシュなダンスステップを組み合わせ、その形を多くのアイドルグループが取り入れたと書かれています。
日本語版Wikipediaによると、日本では2000年代後半から韓国のアイドルグループの来日が増え、2010年以降はK-POPを教えるダンス・ボーカルスクールも増えたとされています。
K-POPダンスの特徴
K-POPのダンスには、ほかのダンスと比べて目立つ特徴がいくつかあります。英語版Wikipediaの説明をもとに整理します。
みんなでそろえる「群舞」
K-POPグループは、何人ものメンバーが同じ振り付けを、角度やタイミングまでそろえて踊ることが多いのが特徴です。人数が多いグループでは、歌うメンバーが入れ替わるたびに素早く立ち位置を変える「フォーメーションチェンジ」がよく使われるとされています。
覚えやすい「ポイント振り付け」
K-POPの曲には、歌詞に合わせて、くり返し出てくる印象的な動きが入っていることがよくあります。英語版Wikipediaでは、こうした動きを「ポイントダンス(point dance)」と呼び、歌詞に合った、くり返しの、つい覚えてしまう動きだと説明しています。曲のサビでこの動きだけまねして踊れる、というのが、子どもにとっても入りやすいところです。
ファンがまねしやすいように考えられている
同じ項目では、振付師は、ファンがステップをまねできるかどうかを考え、動きを簡単にする必要がある、とも書かれています。プロのダンスでありながら、見た人が踊ってみたくなるように作られていることも、K-POPダンスが広く踊られる理由のひとつといえます。
ヒップホップやジャズなど、いろいろなダンスの要素が混ざる
K-POPのダンスは、ひとつのダンスジャンルの名前ではありません。始まりとされるソテジワアイドゥルがヒップホップやR&Bを取り入れたダンスポップだったように、曲ごとに、その曲に合ったさまざまな動きが振り付けに取り入れられています。K-POPを踊っているうちに、いろいろなタイプの動きにふれることになります。
子どもがK-POPダンスに惹かれるのはなぜか
子どもがK-POPダンスを好きになるきっかけは、それぞれです。よくあるのは、次のようなものです。
- 曲が好き:聴いているうちに体が動き、振り付けも覚えたくなる
- アイドルが好き:好きなメンバーと同じ動きをしてみたい
- まねしやすい:ポイント振り付けなら、サビだけでも踊れる
- 友達と踊れる:同じ曲を知っている友達と一緒に踊れる
- 衣装や見た目が好き:ステージの衣装や雰囲気に憧れる
セントダンススクールのインストラクター紹介ページでも、misaki先生が、中学2年生のころにK-POPがはやっていて、家でコピーして踊っているうちにダンスを始めたと答えています。好きな曲をまねして踊ることが、ダンスを始める入り口になることもあるのです。
K-POPダンスと、ほかのキッズダンスの違い
K-POPダンスは、ヒップホップやジャズのように「動き方」で分けたジャンルというより、「K-POPの曲の振り付けを踊る」という楽しみ方に近いものです。違いを整理すると、次のようになります。
- 決まった曲の振り付けを踊る:アーティストの振り付けをそのままコピーして踊ることが多い。ヒップホップなどのレッスンでは、教室によって違いますが、先生がつくった振り付けを踊ることもよくある
- そろえることが大切:グループのダンスなので、全員で角度やタイミングをそろえる
- 表情や見せ方も振り付けの一部:カメラや客席を意識した表情、手の先の見せ方なども大切にされる
- 曲ごとに動きのタイプが違う:1つのジャンルに決まっておらず、曲によって振り付けの雰囲気が変わる
どちらがよいということではなく、子どもが何を楽しいと感じているかで、合う楽しみ方は変わります。
小さい子がK-POPダンスを楽しむときのポイント
K-POPのダンスは、大人のプロのアーティストが、大人向けに踊っている振り付けです。小さい子がそのまま全部をまねするのは難しいこともあります。年齢に合わせて、楽しみ方を工夫するのがおすすめです。
3才〜6才ごろ
振り付けを正確に覚えるより、好きな曲に合わせて体を揺らしたり、ポイント振り付けの手の動きだけまねしたりするくらいで十分です。「あの動きができた!」という小さな成功が、楽しさにつながります。
小学校低学年
サビの部分だけ通して踊ってみる、ゆっくりのテンポで練習してみるなど、短い部分から挑戦するのがよいでしょう。動きを覚えることに夢中になる時期なので、少しずつ覚えられる範囲を広げていけます。
小学校高学年
1曲を通して踊ってみたい、友達と立ち位置を決めてグループで踊ってみたい、という子も出てきます。動画を見ながら自分で振り付けを覚えようとする子もいます。
家でK-POPダンスを練習するときのコツ
動画を見ながら家で練習するときは、次のようなことを意識すると、子どもが覚えやすくなります。
- まずは見る:いきなり踊らず、まずは曲を何回か聴いて、動画を見て、全体の流れをつかむ
- 短く区切る:サビの8カウント分など、短いところから覚える
- ゆっくりにする:動画の再生速度を落とせる場合は、ゆっくりにして動きを確かめる
- 左右に気をつける:正面から撮った動画は、見ている人と左右が逆になります。鏡のように左右を反転させた練習用の動画を使うと、まねしやすくなります
- 足から覚える:腕の動きが目立ちますが、足の位置や重心の移動を先に覚えると、全体が安定します
- カウントを口に出す:「1、2、3、4」と数えたり、動きに言葉をつけたりすると、順番を覚えやすくなります
覚えた振り付けを家族の前で披露する時間をつくると、子どもにとって小さな発表の場になります。うまく踊れたかどうかより、最後まで踊りきったことをほめてあげてください。
保護者が気にかけておきたいこと
けがをしない環境で踊る
家で踊るときは、周りに家具や角のあるものがない広さを確保し、すべりにくい床で踊るようにしましょう。ジャンプや床に膝をつく動きがある振り付けは、無理にまねしないことも大切です。踊る前には体を軽く動かして温めておくと安心です。
歌詞や振り付けの内容を一緒に見る
K-POPは大人のアーティストの作品なので、歌詞の内容や振り付けの雰囲気が、子どもには大人っぽいと感じられる曲もあります。どの曲を踊るかを、保護者の方も一緒に見て選ぶと安心です。
動画を投稿するときは慎重に
踊っている姿を撮影して、SNSに投稿したいと言う子もいます。顔や制服、家の周りの様子などから個人が特定されることもあるので、投稿するかどうか、どこまで公開するかは、家族でよく話し合って決めましょう。
「プロを目指す世界」と「楽しく踊る」を分けて考える
K-POPのアイドルは、デビュー前の長いトレーニング(練習生の期間)を経て活躍していることが知られています。英語版Wikipediaでも、練習生が毎日長い時間、歌やダンスや外国語を学ぶと書かれています。子どもがK-POPダンスを楽しむことと、その世界を目指すことは、別のものとして考えてよいでしょう。まずは、好きな曲で体を動かす楽しさを大切にしてあげてください。
K-POPダンスを習い事として考えるときに見たいこと
K-POPが好きな子のために習い事を探すときは、教室の名前やジャンル名だけでなく、次のような点を確かめておくと、子どもに合うかどうか判断しやすくなります。
- クラスの対象年齢:小学生向けか、中高生や大人と一緒か
- どんな曲を使うか:子どもに合った曲を選んでいるか
- 基礎の練習があるか:振り付けのコピーだけでなく、リズムのとり方や体の動かし方の練習もあるか
- 初めての子への声かけ:ダンスが初めての子にも、先生が分かりやすく教えているか
- 発表の場:発表会やイベントなど、練習の成果を見せる機会があるか
- 通いやすさ:曜日・時間帯、家や学校からの距離
また、K-POPの振り付けには曲ごとにいろいろな動きが入っているので、リズムのとり方や体の動かし方の基礎を身につけておくと、K-POPの振り付けも踊りやすくなることがあります。K-POP専門の教室だけでなく、基礎を大切にしているダンス教室も選択肢に入れて考えてみてください。
基礎の練習がK-POPダンスに生きる理由
K-POPの振り付けをきれいに踊るには、次のような基礎の力が役立ちます。
- リズムをとる力:曲の拍を感じて、タイミングよく動く
- 体の部分を別々に動かす力:首、肩、胸、腰などを別々に動かす練習(アイソレーション)は、K-POPの細かい動きにもつながります
- 振り付けを覚える力:先生の動きをまねして、順番を覚える経験を重ねる
- 人前で踊る力:発表会などで人前に立つ経験は、表情や見せ方にもつながります
好きな曲をただまねするだけでなく、こうした基礎を少しずつ身につけていくと、「前より上手に踊れた」という実感が得られやすくなります。
よくある質問
Q. K-POPダンスは何歳から踊れますか?
A. 年齢の決まりはありません。小さい子は、好きな曲に合わせて体を揺らしたり、ポイント振り付けの手の動きだけまねしたりするところから楽しめます。1曲を通して覚えるのは、小学生になってからのほうが取り組みやすいことが多いです。
Q. K-POPダンスはヒップホップと何が違いますか?
A. ヒップホップは、動き方やリズムのとり方に特徴のあるダンスのジャンルです。K-POPダンスは、K-POPの曲につけられた振り付けを踊る楽しみ方で、曲によって、ヒップホップに近い動きもあれば、まったく違う雰囲気の動きもあります。
Q. 動画を見て家で練習するだけでも上手になりますか?
A. 動画で振り付けを覚えることはできます。ただ、自分の動きが合っているかどうかは自分では分かりにくいものです。家族に見てもらったり、ダンスのレッスンで先生に見てもらったりすると、直すところが分かりやすくなります。
Q. 男の子でもK-POPダンスを踊りますか?
A. 踊ります。K-POPには男性グループも女性グループもあり、どちらの曲を踊るかは自由です。好きなグループの曲から始めてみてください。
Q. 振り付けが速くてついていけません。
A. 最初から曲のスピードで踊ろうとせず、短く区切ってゆっくり練習するのがおすすめです。サビのポイント振り付けだけでも踊れるようになると、自信につながります。
Q. 子どもに踊らせてよい曲かどうか、どう判断すればいいですか?
A. 歌詞の意味や振り付けの雰囲気を、保護者の方も一緒に確かめるのがおすすめです。迷ったときは、明るい雰囲気の曲や、子どもが楽しく踊れる振り付けの曲を選ぶとよいでしょう。
参考にした資料
- Wikipedia日本語版「K-POP」(K-POPの説明、ソテジワアイドゥルのヒップホップとR&Bを取り入れたダンスポップ、1996年のH.O.T.、2000年代後半からの来日の増加、2010年以降のダンス・ボーカルスクールの増加)
- Wikipedia英語版「K-pop」(1992年4月11日のソテジワアイドゥルのデビューとその位置づけ、H.O.T.「Candy」、ダンスはK-POPに欠かせない要素、フォーメーションチェンジ、ポイントダンス、振り付けの簡略化、練習生のトレーニング)
- セントダンススクール「インストラクター紹介」(misaki先生のインタビュー)
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