ダンス初心者の子どもは何から始める?最初に覚える基礎と家での練習のしかた

「ダンスをやってみたいと言っているけれど、何から始めればいいの?」「家で練習させたほうがいい?」。ダンスが初めてのお子様を持つ保護者の方からは、こうした質問をよくいただきます。この記事では、ダンス初心者の子どもが最初に覚えていく基礎を順番に並べ、それぞれを家でどう練習すればよいか、どのくらい練習すればよいか、保護者の方はどう関わればよいかをまとめました。「上手にさせる方法」ではなく、「楽しく続けながら、少しずつできることを増やす方法」として読んでいただければと思います。

最初に知っておきたいこと|はじめは「踊れない」のが普通

ダンスを始めたばかりの子の多くは、「思ったように踊れない」ところからスタートします。先生の動きについていけない、左右を間違える、途中で止まってしまう。どれも初心者なら当たり前のことです。

大人が見ると「全然できていない」と感じる場面でも、子どもの中では「音楽に合わせて体を動かした」「先生のまねをしてみた」という経験が積み重なっています。最初の数か月は、上手さよりも「レッスンに行くのが楽しいかどうか」を見ていくことが、いちばん大切です。

始める前に準備しておくこと

  • 動きやすい服:伸び縮みするTシャツやズボン。フードやひもが長い服、スカートは動きにくいことがあります。
  • 靴:教室によって、室内用の運動靴か、はだしかが違います。体験の前に確かめておきましょう。
  • 飲み物とタオル:短いレッスンでも汗をかきます。
  • 髪をまとめるもの:髪が長い子は、顔にかからないようにまとめておくと動きやすくなります。

専用のダンスウェアは、続けると決めてからでも十分です。最初は家にある動きやすい服で始められます。

基礎1|音楽を聴いて、体を弾ませる

いちばん最初の基礎は、音楽に合わせて体を弾ませることです。曲に合わせて膝を軽く曲げ伸ばしするだけでも、立派なダンスの基礎になります。ヒップホップでは、膝を曲げて沈む動きを「ダウン」、伸びて上がる動きを「アップ」と呼び、リズムの取り方の基本として練習します。

家での練習

好きな曲をかけて、立ったまま膝を曲げ伸ばしします。最初は大人も一緒に、「1・2・3・4」と声を出しながら行うと、子どもも拍をつかみやすくなります。上手にできるようになったら、ゆっくりの曲と速い曲を交互に試してみます。

基礎2|カウントを数える

ダンスのレッスンでは、曲を「1・2・3・4・5・6・7・8」と8つずつ数えて振り付けを覚えることがよくあります。先生が「5・6・7・8」と数えたら、次の「1」から動き出す、という合図も多く使われます。

家での練習

曲に合わせて、親子で8まで数えながら手拍子をします。8のところだけ大きくたたく、1のところでジャンプするなど、数字に動きをつけると、まとまりを感じやすくなります。

基礎3|誰にでもできる動きを組み合わせる

文部科学省が中学校の先生向けに作ったダンスのリーフレットでは、初めてのダンスの導入の工夫として、手拍子、足拍子、片足とび、両足とび、蹴る、歩く、走る、ねじるといった「誰にでもできるいろいろな動き」を組み合わせることや、すばやく動いたり止まったりしてみることが紹介されています。

中学生向けの資料ですが、考え方は子どもの初心者にもそのまま当てはまります。難しいステップを覚える前に、すでにできる動きを音楽に合わせて組み合わせるだけで、ダンスになります。

家での練習

  • 「歩く・歩く・歩く・止まる」を音楽に合わせて繰り返す
  • 「両足でジャンプ・片足でジャンプ」を交互に
  • 音楽が止まったら、好きなポーズでぴたっと止まる

基礎4|簡単なステップ

動きに慣れてきたら、足の運び方が決まった「ステップ」に挑戦します。子育て情報サイト「いこーよ」の記事では、ミュージカル出演や振付を中心に活動する明羽美姫さんが、子ども向けに次のようなステップを紹介しています。

  • クロスステップ:足を開いたり閉じたり、前後に交差させたりする、ジャンプを伴うステップ
  • ボックスステップ:足で四角形を描くように動かすステップ(記事では小学2年生以上が目安)
  • ランニングマン:その場で走っているように見えるステップ(記事では小学3・4年生以上が目安)
  • クラブステップ:かかととつま先で、カニのように横に移動するステップ(記事では小学3・4年生以上が目安)

年齢の目安はあくまで一つの考え方です。できなくても、ゆっくりから始めれば大丈夫です。

家での練習

ステップは、最初は音楽なしで、足の順番だけを確かめます。順番が分かったら、ゆっくりの曲に合わせます。速い曲で合わせるのは最後です。

基礎5|体の一部だけを動かす

ダンスの基礎練習でよく行われるのが、首だけ、肩だけ、胸だけ、腰だけを動かす「アイソレーション」です。体の部分を分けて動かす感覚が身につくと、振り付けの動きがはっきりして見えるようになります。

家での練習

鏡の前で、肩を上げ下げする、首を左右に倒すなど、簡単な動きから試します。体の他の部分がつられて動いてしまうのは、初心者なら当然です。「肩だけ動いたね」と、できたところを見つけてあげてください。

基礎6|短い振り付けを覚える

基礎の動きは、最終的には振り付けの中で使われます。初心者のうちは、8カウントを1つか2つ分(数秒〜十数秒)の短い振り付けを、何度も繰り返して覚えるところから始まります。

家での練習

  • レッスンで習った振り付けを、子どもに「先生役」になって教えてもらう
  • 覚えている部分だけでいいので、曲をかけて一緒に踊ってみる
  • 動きに「ジャンプ」「くるっ」「ストップ」など、自分たちで言葉をつけてみる

子どもが大人に教えるときは、思い出しながら説明するので、自然と復習になります。間違っていても、その場で直そうとしなくて大丈夫です。

初心者の子がぶつかりやすい壁

振り付けをすぐ忘れてしまう

1回のレッスンで覚えた振り付けを、次のレッスンまでに忘れてしまうのはよくあることです。繰り返すうちに、少しずつ体に残るようになっていきます。

みんなの前で踊るのが恥ずかしい

最初は、後ろの列で小さく動くだけの子もいます。恥ずかしさがなくなるまでの時間は、子どもによって大きく違います。

周りの子と比べて落ち込む

同じクラスに経験の長い子がいると、「自分だけできない」と感じることがあります。始めた時期が違えば、できることが違うのは当然だと伝えてあげてください。

疲れてしまう

ダンスは思った以上に体力を使います。始めたばかりのころは、レッスンのあとに疲れて眠くなる子もいます。少しずつ慣れていきます。

家での練習|どのくらい、どうやってすればいい?

毎日でなくていい

初心者のうちは、家で長い時間練習する必要はありません。子どもが「やりたい」と言ったときに、5分、10分と短く付き合うくらいで十分です。嫌がっているのに練習させると、ダンスそのものが嫌いになってしまうことがあります。

レッスンの前日・当日より「レッスンのあと」

習ったことを覚えているうちに、その日の夜や翌日に一度踊ってみると、思い出しやすくなります。

動画を撮って見る

踊っているところを短く撮って一緒に見ると、子ども自身が「ここが違う」と気づけることがあります。見るときは、ダメ出しより「ここ、かっこいいね」と、よいところから話すようにしましょう。

鏡を使う

全身が映る鏡があれば、自分の動きを見ながら練習できます。鏡がない場合は、窓ガラスに映すだけでも十分です。

家で練習するときに気をつけたいこと

  • 周りの物を片づける:手足を大きく振ったときに、家具や照明にぶつからないようにします。
  • 床に気をつける:靴下だけだと、フローリングで滑ることがあります。はだしか、室内用の運動靴が安全です。
  • ジャンプは時間帯と場所に配慮:集合住宅では、下の階への音が気になることがあります。ジャンプの練習は時間帯を選ぶか、跳ばない動きに置きかえましょう。
  • 痛いときはやめる:膝や足首が痛いときは、無理に続けないようにします。

先生たちは、初心者のころ家で練習していた?

セントダンススクールの講師紹介ページには、先生たちが子どものころをふり返ったインタビューが載っています。

  • RiO先生は、最初に習ったのはロックダンスで、「家で練習するタイプではなく、スタジオに行って鏡の前でテンションが上がって踊るような生徒」だったと話しています。
  • Ayaka先生も、最初はベーシックなヒップホップを習い、「家で練習することはほとんどなくて、スタジオに行ってやるタイプ」だったそうです。
  • misaki先生は、入ってすぐに発表会があり、振り付けを覚えるために必死で動画を見て、家でも基礎練習をたくさんしていた、と話しています。

家でたくさん練習するタイプもいれば、レッスンの時間に集中して楽しむタイプもいます。初心者のうちは、どちらのタイプでも大丈夫です。

保護者ができる声かけ

  • 結果より過程をほめる:「上手だったね」より、「最後まで踊ったね」「大きく動けたね」
  • レッスンの話を聞く:「今日はどんな曲だった?」「どの動きが好き?」と、子どもが話したくなる質問を
  • できないことを責めない:「なんでできないの」は言わないように
  • 比べない:きょうだいや友だち、動画の上手な子と比べない
  • 先生に相談する:家での様子で気になることがあれば、レッスンの前後に先生に伝えてみましょう

年齢ごとの始め方

3才〜6才(幼児)

先生の話を聞く、みんなと一緒に動く、ということ自体が最初の目標になる年齢です。セントダンススクールのリトルクラスのページでも、最初の目標は「大きな声で挨拶をする」「先生の話をちゃんと聞く」ことで、ダンスの細かな技術はまず置いておいて、「楽しく」「大きく」「笑顔で」踊ることを目指す、としています。

小学校低学年

振り付けを覚えて最後まで踊ることに挑戦できるようになってきます。カウントを数えることや、簡単なステップから始めるのがおすすめです。

小学校高学年

説明を聞いて理解する力がつき、細かい動きの違いにも気づけるようになります。一方で、人前で踊ることが恥ずかしくなる時期でもあります。友だちと一緒に体験に行くと、始めやすくなることもあります。

よくある質問

Q. 家で動画を見て独学で始めてもいいですか?

A. 始めるきっかけとしては十分です。好きな動画の振り付けをまねするうちにダンスが好きになる子もいます。ただ、左右の向きや体の使い方は、動画だけでは分かりにくいことがあります。もっと踊りたくなったら、教室の体験レッスンに行ってみるのもよいと思います。

Q. 初心者は、どのジャンルから始めればいいですか?

A. 最初からジャンルを決める必要はありません。音楽に合わせて弾む、カウントを数える、簡単なステップを踏むといった基礎は、多くのジャンルに共通しています。

Q. 週に何回通えばいいですか?

A. 教室の仕組みによって違いますが、初心者のうちは無理のない回数から始めて、慣れて「もっと踊りたい」となったら回数を増やす、という順番で十分です。

Q. 体験レッスンで全然踊れなかったら、向いていないのでしょうか?

A. そうとは限りません。初めての場所では、緊張して動けない子もたくさんいます。何回か体験できる教室なら、2回目、3回目の様子も見てみてください。

Q. 家での練習を嫌がります。

A. 初心者のうちは、家で練習しなくても大丈夫です。講師紹介のインタビューでも、家ではほとんど練習しなかったと話している先生がいます。レッスンを楽しみにしているかどうかを、まずは見てあげてください。

Q. 親がダンスを踊れなくても大丈夫ですか?

A. 大丈夫です。家では、子どもに先生役になって教えてもらったり、一緒にカウントを数えたりするだけでも十分な練習になります。

参考にした資料

  • 文部科学省「中学校向け『ダンス』リーフレット」(現代的なリズムのダンス:初めてのダンスの導入の工夫例)
  • いこーよ「ダンスの定番ステップで楽しく踊って子どもの運動能力アップ」(明羽美姫さん)
  • セントダンススクール「インストラクター紹介」「リトルクラス」(講師インタビュー、クラスの目標)

セントダンススクールのご案内

西宮市津門のセントダンススクールには、3才〜6才のリトルクラスと、小学生のキッズクラスがあります。レッスンでは、ジャンルを問わず、体操・ストレッチ、ダンスの基礎となるアイソレーション、振り付けの流れで、音楽に合わせて体を動かす楽しさを大切にしています。振り付けは、先生の動きを真似して、簡単な動きをゆっくり行うところから覚えていきます。ダンスが初めてのお子様、人見知りのお子様、運動が苦手なお子様も通っています。

セントダンススクールでは、靴は使わず、はだしで踊ります(室内シューズは使えません)。

  • レッスン:月曜日・水曜日の夕方(リトル 15:50〜16:40/キッズ 16:50〜17:40)
  • 体験レッスン:無料で3回まで受けられます
  • アクセス:阪急「阪神国道」駅から西へ徒歩2分、JR「西宮」駅から東へ徒歩6分、阪神「今津」駅から北へ徒歩10分(兵庫県西宮市津門稲荷町5-10 フレクサンス北今津 3階)

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